異業種から学ぶ=業界の固定概念の打破

今朝の出勤途中、前を走っていたトレーラーの後部中央(テールランプの中間)に、以下のような大きな告知文(かなり大きく、誰でもハッキリと分かるくらい)が張付けられていました。

「この車両が安全運転を励行していない場合はご一報ください。○○ー○○ー○○○○(電話番号) 社長」

とはいいつつも、その運転は普通に交通の流れに乗って走行していたし、急ブレーキや急発進、交差点でもキレイに静かに曲がっていました。

動き方からして、横断歩道の左右をキチンと確認しながら曲がっていたと思います。

でも、メチャクチャ低速で徐行していたわけでないところからすると、かなり前方から人の動きなどを注意していたと思います。

こちらの車両を見る限り、このような告知文を掲げてたとしても、恐らく安全運転に関するクレームのような電話は殆ど無いと思われます。

「他業種から学ぶ」という視点で見ると、BtoCを業態とする企業の多くには、製品やパッケージに「お客様相談質」のような形で、ほぼ必ず連絡先が掲載されています。

前職での経験(小売店舗)からすると、BtoC企業の多くは、結構、積極的に顧客からの問い合わせや質問よりも、クレームの電話を欲しがります。

店舗内でのクレーム対処には時間と労力がかなりかかるのが現実ですが、真っ当なクレームから学ぶ事の多くは、その時間や労力を掛けてでも後々、参考になる事が多いからです。

そして、クレームを発生させてしまった当事者(店舗側)自身が、「クレームの種」を事前に気付く事はなかなか難しいものだからです。

さらに言うと、お客様がクレームをキチンと対処してくれたと感じると、「その時」はお客様もカンカンだったとしても、意外とその後は常連さんになってくれて、他店よりもまず自店に来てくれて、結構、仲良くなってしまいます。

口コミなども積極的に行ってくれる方も居り、実際、店舗側としても利益に繋がる結果となる事が多いのです。

ただ、クレームが発生した「その時」は、ホントに時間も人員も労力もかかるので、よほど素直にそのお客様と向き合わないと、後々遺恨を残す場合もあり、来店しなくなっただけならまだしも、違う意味で口コミされてしまったり、長い期間、延々とその案件に対処し続けていく結果となってしまいます。

なので、真摯に素直に、時間と労力を惜しまずお客様と向き合おうとしている企業は、「お客様相談室の連絡先」を大きく表示させていたり、パッケージのみならず製品にも掲示している事が多く、掲示の仕方で企業の姿勢が良く分かります。

隅のほうに小さく掲示している場合は、クレーム対処に掛かる時間と労力に比べて効果が小さいと判断している場合が殆どなのでしょう。

クレームの種類も本当に様々なので、どちらが良い悪いとは判断できませんが、少なくとも最初に述べたトレーラーの会社は、積極的にお客様の声(この場合は直接のお客様では無いですが)を吸収しようとしているのではないでしょうか。

また、5Sなどでも同じように「見られている意識」を持つ事で全社的に素直になる気持ちと行動を自律する気持ちを持とうという社長の意図なのかもしれません。

少なくとも「異業種から学び実行に移した」(言い換えれば、業界の常識である固定観念の打破)のは間違いなさそうです。

対処する担当の方は相当、大変でしょうが、大変だからこそ掲載を止めるのではなく、大変だからこそ活かしていこうとする想いがビンビン伝わった朝でした。

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