10年前の米国視察から今を学ぶ

岩手・宮城・埼玉に倉庫と運送拠点を持つ㈱篠崎運送倉庫の柳原です。

10年前にアメリカの物流動向の視察体験セミナーに参加する機会を頂いた事があります。

とてもビックリする事例ばかり。何がビックリするかといえば、当時アメリカで問題になっていた事や、想定された問題への対応、近未来に訪れるITによる物流革命が、今現在に実際に起こっているという事。

人種の問題、言葉の問題、習慣の問題、道徳観念の問題、単純な物流機能と高度なロジスティクスマネジメントの問題、これらを繋ぎ管理しコントロールするIT機器、革新的なITを効率よく現場に落とし込めるためのマテハンなどなど。

これらへの考え方や対応が各社様々に混在し、会社そのものの在り方へも反映されていた事に今更ながらビックリです。

そんな多くの物流・ロジスティクス会社を視察した中でも、ちょtっと印象的だったのが、Weber Distribution社。

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こちらは、当時で創業84年目のアセット型の老舗物流企業で年商9,600万ドル。

経営は創業時から創業者の血縁者が引き継いでいて、当時で4代目と言ってました。

社員とのコミュニケーションを大切しており、そこから得られた社員のモチベーションや社員の持つ情報をうまく顧客満足に活かしていると事。

また、役員が様々な協会の役員も兼務しており、そこからの縁で受注を受けることも多いという。

こういう形の経営は、日本にも分かりやすく馴染みやすく親しみやすいのではないでしょうか。

 

 

しかし表面的な会社風土や戦略的には似通っていても、戦術的には全くと言っていいほど斬新で、学ぶ事が非常に多かった企業。

当時でもビックリしたのが、

①創業時から経営理念は常に変化している、との事でした。

コロコロ変えるという意味ではなく、その時代や時流に照らし合わせた経営理念にしているという事です。

創業時と現在とでは、商流も慣習も、人々の価値観も大きく変わっているはずであり、とすれば創業時の理念を意地でも堅持する意味がなくなります。

勘違いしてはいけないのが、けっして当時の理念を否定して変化させるわけではないという事。

 

荷主に対してのサービス意識としては、

荷主からの基本的な物流機能の依頼に対し、間違えず要望している通りのサービス(在庫管理や加工作業、壊さない輸配送など)をキチンと行うのは当たり前であるという前提認識。

これも私達からみてもうなずけるサービスであるかと思いますが、ビックリなのはこの後。

 

そのために、

②作業スタッフ(のみならず事務スタッフに対しても。恐らく役職者や役員にも及ぶものと思われます。)に対しては、社外チェックマンが300項目に及ぶチェックポイントに照らしあわせてキチンと仕事をしているかをチェックするとの事。内容は大きく分けると、安全衛生、各種書類、在庫管理、人材管理指導など。

 

また、作業スタッフがキチンと仕事ができるフォローとして、

顧客からの連絡情報や、使用する備品、マーク、シール類、作業工程などをマニュアル化したり、異なる納入業社や配送先での作業工程やルールをデータベース化しているといいます。

 

なお、全ての業務において

測定計測を常としており、基準値をはじき出しデータ化することで、サービスの向上だけでなく労務管理にも使用しているようです。

 

よって配送を担当するドライバーに関しては、

③採用する際にはバックグラウンドチェック(いわゆる身辺調査)も行い、素行の良い人しか採用していません。

 

倉庫スタッフに関しても

④グリーンカードの保持は必須で(この辺りはいかにもアメリカらしいが、少子化が進んでいる日本も将来は必要になってくるかもしれない)、定期的にチェックもしています。

 

さらに、教育にも重点を置いており、

普段からコミュニケーションを大事にしているといいます。

このコミュニケーションとは、社員と良く話をするというのは程度の事ではなく、

仕事を絡めて普段から情報交換しているといったほうが正解かも知れません。

 

このような社風?は営業展開にも活かされており、

⑤各部門間で十分に話し合って計画を立て、キチンと計画通りに案件化に着手しているところからも伺えます。

社内サプライチェーンとでもいった方が分かりやすいかも。

 

「表面的には非常に日本的で、年収からいっても親近感を覚える社長様も多くいらっしゃるかと思いますが、その中身を聴けば、ずっと先を見据えた戦術に徹していると感じたのではないでしょうか。」と当時は思いましたが、今思い出しても全く同感、しかしずっと先ではなく、日本も今、まさに!同じ状態にビックリですねですね。

 

こちらは倉庫内に張られた各種賞状。

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作業スタッフやドライバー向けのばかり。

⑥必ず作業スタッフや仲間がはもちろん、来客した方全てが『見える・見られる場所』に掲示してあって、このような施策は、どこの企業に行っても行われていました。

 

今思えば、いわゆる倉庫やドライバーなど現場作業的なしかも単純的な作業になればなるほど、純米国人の成り手がなく、異国人を採用しなければならない、しかし物流管理・人材コントロール、さらにコスト&収益はどんどんシビアになっている。

 

10年前を振り返り、今を反省・鑑みる事の大切さを知る良いキッカケになった視察でした。

10年後の為に今を体験する大切さ。

今という土台と10年という単位で見据える大切さ。

10年前を振り返って今また大切さに気付きましたΛΛ

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物流倉庫やロジスティクスセンター、運送・輸送・配送業務での人身・物損事故を防止するために。。。
「ヒヤリ!とできる」気持ちを持ちましょう。
「ハッ!と気付く」気持ちをもちましょう。
「危険だと感じられる」感性をもちましょう。
「危険な事実を知って」予知できる知識を得ましょう。
「ヒヤリ、危険」に遭遇した時、すぐに「ハット気付き対策できる訓練」をしましょう。

篠崎運送倉庫のHPではヒヤリハット事例集を掲載していますのでコチラも是非ご一読をΛΛ

倉庫保管はもちろん、東北~ 関東・首都圏 ~中部・関西の定期運行や輸送・配送など御相談はコチラΛΛ

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